痕跡消すために燃やす…良くも悪くも「やり手」な菅首相

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編集委員・高橋純子
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コラム「多事奏論」 高橋純子(編集委員)

 月は満つとも心は満たぬ今日このごろ、みなさまいかがお過ごしですか。私は首相辞任表明からの1カ月、詩の一節をずっと、わけもなくただ、反芻(はんすう)していました。

 ぼくたちにとって 絶望とは/あるなにかを失うことではなかった、むしろ/失うべきものを失わなかった肥大のことだ。

         (長田弘「無言歌」)

 ヤンキーな政治からヤクザな政治へ。

 このたびの首相交代を、語弊を恐れず私なりにあえて評せば、こうなる。いやいやあわてて付言しておくけれど、暴力や犯罪とは一切関係ない。そのたたずまいを比べて例えるなら、だ。陽から陰へ、動から静へ、見せ物から実務へ、散らかす政治から片をつける政治へ。そして、女性もいるにはいた政治から、女性が「見えない」政治へ。

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 第2次安倍政権誕生時、私の…

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