あつ森みたい、チョウザメ次々釣れる怪現象 記者が遭遇

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二宮俊彦 神崎卓征
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 宮崎市中心部の大淀川下流域で、7月ごろから、自然下では県内に生息しないチョウザメが釣れる怪現象が続いている。県が把握しただけでも、ざっと100匹。本紙記者も9月中旬に3匹釣り上げた。どこから来たのか、生態系への影響はないのか――。

 日暮れどきの午後6時半、宮崎市役所裏の大淀川河川敷で竿(さお)を出した。チョウザメがいると聞いてはいたが、真の狙いはウナギ。どちらも夜行性だ。地元のコイ釣り名人から「川の真ん中は浅瀬。手前は深いからウナギがいると思うよ」との助言を受けていたので、遠投せずに10メートルほど先に仕掛けを投げ込んだ。

 仕掛けはウナギ針12号、ハリス4号。鉛15号の誘導式だ。釣具店の店員から教わった。ついでに青虫も買った。待つこと数十分。クーラーボックスに立てかけた釣り竿がズズッ、ズズッと左にそれていく。「来たかも」。釣り好きの同僚から「早合わせは禁物」と聞いていた。ここは我慢のしどころ。数秒後、いきなり竿が倒れ込んだ。

 「今だ」。竿をぐいっと持ち上げ、夜空に高く掲げた。グッグッとした感触が手に伝わる。掛かった。右へ左へ激しく動き回り、竿がしなる。「大物かも」。ウナギにしては引きが強い。最初は暴れたが、次第に重量を感じるだけになり、スーッと岸に寄ってきた。

 キャップライトに照らされたのはウナギには似ても似つかない魚だった。体長は60センチくらい。白い目をしたこわもての面構えにおじけづく。これがチョウザメか。すくう網がなく、糸を握って岸まで引き寄せた。左手に軍手をはめ、チョウザメをつかむ。護岸に引き上げ、見慣れない魚体に見入った。長い鼻、ゆがんだ胸びれ、チョウの形をしたうろこ……。

 翌日も挑戦したら、またしてもチョウザメが顔を見せた。この川にどれだけいるのだろう。ウナギが釣れないのは腕のせいなのか。同じ場所でウナギを釣ったと誇らしげに語る同僚は「運ですよ、運」。遊漁船の船頭が釣れないときに言うセリフと同じだった。(二宮俊彦)

養殖場から逃げた? 県「違う」

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 大淀川のチョウザメはシベリ…

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