広範囲が「災害イエローゾーン」に…法改正で悩む自治体

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山本孝興 渡辺洋介
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 相次ぐ自然災害による被害を減らすため、危険度が高い場所での暮らしは避ける――。国がめざしているのが、そんなまちづくりだ。危険区域では新しい建物の建設を規制し、すでに住んでいる人には移転を促すことで、災害時の被害を最小限に抑える狙いだ。

 国は自然災害に強いまちづくりを進める「都市再生特別措置法」などを改正し、今月施行した。崖崩れや津波などの危険がある「災害レッドゾーン」に自社ビルや病院、ホテルなど自らが運営する施設を建てることを禁止した。これまでも貸店舗や分譲住宅などの建設を禁じていたが原則まちとしての開発を禁止した。

 洪水などの危険がある「災害イエローゾーン」での開発も厳しくした。イエローゾーン内の「市街化調整区域」では今後、住宅などを建てる場合、安全対策や避難対策をとることが条件になる。さらにこうした危険な場所に住む人たちに移転を促すため、自治体が移転を支援する制度も導入した。

災害イエロー・レッドゾーン

 イエローゾーンは、洪水や津波の浸水想定区域、土砂災害警戒区域など、災害発生時に人命に危険が及ぶ可能性のある区域。レッドゾーンはイエローゾーンの中でもよりリスクが高く、建物が壊れ、人命に著しい危険が生じる恐れのある区域で、土砂災害特別警戒区域や急傾斜地崩壊危険区域などがある。

 都市機能を集約したまちづくりを進めるための「立地適正化計画」では、人の居住を促す場所として「居住誘導区域」を市町村が設けている。この区域ではレッドゾーンを原則、避けることにした。

 ただ、課題も残る。

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 国は居住誘導区域にイエロー…

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