北朝鮮から60年ぶりの里帰りを 日本人妻の甥、要望書

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編集委員・北野隆一
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 在日朝鮮人と結婚し、その後北朝鮮に渡った「日本人妻」の多くは、半世紀以上にわたって里帰りが果たせていない。熊本県に住む林恵子さん(69)とその次男の林真義さん(40)親子は、恵子さんの姉、中本愛子さん(89)の60年ぶりの一時帰国実現を求めている。今月25日には真義さんが外務省厚生労働省を訪れて要望書を提出し、人道問題解決のための日朝間協議の早期再開を求めた。

 中本さんは熊本県出身。1959~84年に在日朝鮮人ら計約9万3千人が北朝鮮に渡った帰還事業で60年、夫の故郷の北朝鮮東部・咸興(ハムン)に移り住んだ。恵子さんは当時9歳。姉に「寒いところに行く」と言われ「北海道?」と聞き返したが、言葉を濁されたことを覚えている。

 97~2000年には3回にわたり日本人配偶者計43人が一時帰国。中本さんも02年の第4回に参加予定だったが、日本人拉致問題による日本世論の悪化などのため直前に中止された。

 北朝鮮に詳しいジャーナリスト伊藤孝司さんらの取材で中本さんらの存在が改めて注目されたのは17年。林恵子さんは18年6月下旬、真義さんとともに初訪朝し、咸興で姉と再会。涙を流し「ごめんね」と抱き合った。翌19年7月にも再訪朝し、姉の孫の結婚式に出席した。

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