「勝ち残れ」「乱暴でも」 男らしさの呪縛を問う本次々

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関口佳代子 伊藤恵里奈
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 競争社会で勝ち残れ、弱音を吐くなんて情けない、女性より収入や地位は上でなければ――。そんな「男らしさ」を問い直す本が相次いで出版されている。

 文筆業の清田隆之さん(40)は7月、「さよなら、俺たち」(スタンド・ブックス)を出した。日常に潜むジェンダーの問題を考えたエッセーだ。

 「競争社会の中で、生産性や効率にとらわれ、肩書、能力、収入などが男性の価値を測るものとなっている」と清田さん。本は「他を上回りたい」「無理して当たり前」「女性におごらないと格好悪い」といった「男らしさ」の呪縛にとらわれる男性たちに向け、価値観を見直そうと呼びかけたものだ。

 清田さんは感情や感覚を見つめ、さらけ出すことが、「男らしさ」を乗り越える鍵という。本の中では自身の失敗談などからその方法を探った。

 気がつけば周りに対抗意識を燃やしていた男子校時代。話題はテストの点数、交際した女性の数、部活の成績など結果を表す数字ばかり。目に見えるものだけにこだわり成長していくことで、自他の感情をないがしろにしてしまうのではないかと指摘。ハラスメントに無自覚になる危険をはらむと考える。

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