イスラムへの緊張高まるフランス 襲撃で「傷口開いた」

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パリ=疋田多揚
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 フランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」のパリの旧本社前で男女2人が襲われた事件で、仏パリジャン紙は26日、主犯とされる容疑者の男が、シャルリー紙が今月掲載したイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画に「怒っていた」と供述していると報じた。政治家や一部の仏紙は「イスラム主義者によるテロ」に勝利するよう訴えており、仏社会の緊張が高まる恐れがある。

 パリジャン紙などによると、容疑者の男は18歳で、パキスタン出身。捜査当局に対し、襲撃したビルに「今もシャルリー紙があり、攻撃したのは同紙の社員だと思っていた」などと説明しているという。

 同紙は5年前にイスラム過激派に襲撃されて風刺画家ら12人が殺害された後に移転。治安上の理由で新住所は明らかにされていなかった。男は事件当日に現場を下見し、ビルを燃やすことも考え、リュックサックに揮発油を持っていたという。

 25日に襲撃されたのは、同紙の旧本社が入っていたビルで働く男女2人。番組制作会社の社員だった。なたのような刃物で頭部を切りつけられて重傷を負ったが、ともに命に別条はないという。

 ダルマナン内相は25日夜のテレビ番組で、容疑者は3年ほど前に来仏したと明らかにした。特に要注意人物とはみなされていなかったという。仏メディアによると、容疑者はパリ郊外のセーヌサンドニ県で他のパキスタン出身の人々とアパートで共同生活をしていた。仏当局は26日までに、容疑者と暮らしていたパキスタン出身の男ら6人を拘束した。

事件は5年前のテロと同じ場所で起きました。付近住民は「同じ光景を目にした」と声を震わせます。

 事件直後、これらの容疑者とは別に33歳の男性が拘束されたが、事件と無関係と判断され釈放された。

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 5年前と同じ場所で起きた事…

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