拡大する写真・図版練習を終えた西武の森脇(右)=メットライフドーム

 26歳でプロ入りした「オールドルーキー」が、2年目にして勝ちパターンの一角を任されるようになった。西武の森脇亮介。救援投手としての新たな発見が、成長につながっている。

 25日の楽天戦(メットライフドーム)は、圧巻だった。同点の七回、3番手としてマウンドへ。対戦した打者3人への初球は、すべて見逃しのストライク。攻撃的に投げ込み、三者凡退に抑えた。裏に味方が勝ち越し、自身の今季4勝目。翌26日も、同点の場面を抑えた後に勝ち越し点が入り、2日連続で勝ち星を挙げた。

 「基本的には三振を狙っている」と言う。この考え方は、抑え投手としてチームを長く支えた豊田清投手コーチからの助言が、きっかけとなった。たとえば1死一、三塁の場面。これまでは内野ゴロを打たせて併殺に仕留めようと考えていたが、「中継ぎはそうじゃない。三振を取りに行く場面だ」と言われた。「目からうろこが出るぐらいでした」と森脇は振り返る。

失敗から学んだ

 西武の勝ちパターンを担う上で、今季は苦い経験も味わった。

 7月4日のオリックス戦(同)。当時は主に敗戦処理を務めていたが、チーム事情もあり、同期入団の先発・松本航の後を受け、リードした展開を任された。だが「ちょっと準備不足だった」。1死から四球を与え、牽制(けんせい)悪送球もあった。イニングの途中で降板し、チームはその後、逆転負けを喫した。「航には、しっかり謝りました。外食ができるようになったら、おすしを食べに行こうと言ってます。高いものじゃなくて、回転ずしですけど(笑)」

拡大する写真・図版オンライン取材に応じる西武の森脇

 この日を境に、「こんなことをやってたら、すぐにクビになる」と、気持ちを新たにした。

 「昨年までは試合展開を読んで、『そろそろ声がかかるかな』と考えていました。けど、最近はブルペンに入ったときから、どんな点差、展開でも投げられるようにしています」

 京都・塔南高、日大、セガサミーを経て、2018年秋のドラフト6位で入団。だが、社会人野球の頃から、小さな子どもが2人いたこともあり、プロ入りするかは悩んだという。背中を押してくれたのは、妻の言葉だった。

 「3年でクビになったら、その…

この記事は有料記事です。残り527文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り527文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り527文字有料会員になると続きをお読みいただけます。