「1週間遅ければ死んでいた」御嶽山で出会ったカップル

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近藤幸夫
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 死者・行方不明者が63人にのぼった御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火災害から9月27日で6年を迎えます。今夏、被災者が多かった「もう一つの山頂」の王滝頂上(長野県王滝村、2936メートル)への9合目からの登山道が、噴火以来初めて規制解除されました。9月中旬、登山ルートの安全対策などを取材するため、王滝頂上に登りました。

「こんなに近いんや」

 「剣ケ峰の山頂って、こんなに近いんや」。王滝頂上に到着すると、同行した朝日新聞長野総局の岡本智デスクが驚いて声を上げました。王滝頂上から剣ケ峰山頂まで約500メートル。2年前、立ち入り規制が解除された剣ケ峰山頂に立った際、王滝頂上がはるか下に見えたことを思い出しました。目を凝らすと、尾根伝いに剣ケ峰を目指す登山者の列が見えました。

 尾根を挟んだ西側の谷から噴煙が立ち上っています。火山特有の硫黄の臭いも漂っています。現在も火山活動が続いていることを実感しました。剣ケ峰に向かう登山ルートの八丁ダルミには、今も行方不明者が眠っている可能性がある。草木が生えず、荒涼とした砂礫(されき)の地形が広がっていました。

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 八丁ダルミを経て山頂までは…

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近藤幸夫
近藤幸夫(こんどう・ゆきお)元朝日新聞山岳専門記者
1959年。岐阜市生まれ。信州大学農学部卒。86年、朝日新聞入社。初任地の富山支局で、北アルプスを中心に山岳取材をスタート。88年から運動部(現スポーツ部)に配属され、南極や北極、ヒマラヤで海外取材を多数経験。2016年から山岳専門記者として活動。今年からフリーランスに。