第1回「普通の生活がしたい」 届かなかった悩み、生んだ悲劇

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 「背は一番でかいのに、プレーは一番下手だな」

 「そんなんだから幼稚園児だ」

 岩手県立高3年の男子バレーボール部員が2018年に自死した。部の男性顧問の言動がこの部員を追い込んだとして、遺族は詳しい調査を求めていた。

 そんな非人格的な言葉を顧問が日常的に投げつけていたことを、同県教育委員会が設置した第三者委員会が認定した。

 今年7月に公表した調査報告書で、そうした顧問の叱責(しっせき)や暴言が自死につながる絶望感を強める一因だと結論づけた。「指導としての域を超え、教員としての裁量を逸脱した」とも指摘。文科省や日本スポーツ協会などが言葉を含めた暴力を防ぐために設けたガイドラインの内容を、顧問が理解していないことにも言及した。

 一方で報告書は、この部員が別の側面からバレーボールを続けることに苦悩していたことも指摘した。

 「普通の生活がしたい」と。

エスカレートした暴言

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 別の側面とは、スポーツ推薦…

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