アール・デコの動きと歌唱 美輪明宏さん、グレコを悼む

有料記事

聞き手・定塚遼
[PR]

 フランスを代表するシャンソン歌手・ジュリエット・グレコさんが23日、93歳で死去した。母と姉がナチスの強制収容所に入れられた壮絶な体験を越え、ジャンポール・サルトルらとの交流も経て才能を開花させ、60年以上第一線で活躍した。その功績をシャンソン歌手の美輪明宏さんが語った。

 彼女の動きは絵画的。誰よりも洗練されて綺麗(きれい)でした。歌い方も含めて、ルイ王朝時代からフランスにあった過剰な装飾文化みたいなものとは、正反対の場所に彼女はいました。

 シャンソンは、動きが大事。例えば、歌とは関係なしに芝居のように動きっぱなしの歌い手とか、タイプはさまざま。でも彼女のコンサートを聴きにいったときに驚いたのは、全身黒ずくめの服で、笑顔を見せずに、あまり動かずに歌うことでした。そして、「ここぞ」というときだけパッと動く。その身のこなしがとにかく的確で、美しかった。

ここから続き

 彼女の歌は発音にも特徴があ…

この記事は有料記事です。残り1007文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら