妖怪人間ベムが人間になったら(小原篤のアニマゲ丼)

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 私の名はベルム。かつてはリブラシティに暮らす平凡ないち妖怪人間であり、電撃で悪と闘い続けるゲタ履きのベムであった。だがあの日、崩れ落ちる橋の上で私とベラ、ベロを襲った衝撃が運命を大きく変えてしまった。ある街で目覚めると、生活はまるで開き直ったかのごとくその装いを変えてしまったのだ。

 いつもと同じ郊外の我が家。いつもと同じ金髪美人の妻。いつもと同じ娘の「だって、朝は食欲ないんだもん」、いつもと同じ新聞売店の老人の「今日はいい天気だねえ、ベルム」。いつもと同じオフィスの自席。帰宅すればいつもと同じ息子の「じゃあ僕、ご飯までゲームやってるから」、娘の「要らなーい。友達と食べてきた」。だが、何かが違う!

 夢の中の自分は3本指の大きな手を持つ怪物だ。会社のトップからニュースリポートを絶賛されたが書いた覚えはなく、電話を取ってハッと気づけばいつの間にか退社時間。息子は「じゃあ僕、ご飯までゲームやってるから」、娘は「要らなーい。友達と食べてきた」。いつもと同じ。昨日と同じ。私はずっと、同じ1日を繰り返しているのでは……。

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 えー、10月2日公開の「劇…

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