一流アスリートは、どんな考えで進学先を決めてきたのか。バレーボール男子日本代表主将の柳田将洋選手(28)=サントリー=は東京・東洋高時代、多くの強豪大学からスポーツ推薦の誘いを受けながら、自らの決断で慶大のAO(アドミッション・オフィス)入試に挑み、突破した。競技以外の分野にも視野を広げられたことが今に役立っているという。自身の選択の理由を尋ねた。

 柳田選手は東洋高時代に全国制覇を果たし、その実力は多くの大学から高く評価されていた。それでも、決してバレーの強豪ではない慶大を進路に選んだ。

 「高校の監督は『自分の好きなところに進みなさい』と言ってくださった。当時はバレーでは食べていけないのでは、とも思っていて、別の道も選べるように、しっかり勉強したかった」

 面接や高校の成績に加え、スポーツや文化、ボランティア活動などの実績を合否の参考にするのがAO入試。「合格するか分からないという状況で、プレッシャーもあった。面接や書類の準備は大変。面接では経済のことも聞かれるかもしれない。社会人の方にも教わった。志望理由を自分に問いかける中で、将来、何を成し遂げたいか、考えるようにもなった。本当に勉強になった」

 慶大では環境情報学部へ。ゼミでアタックの動作解析に打ち込み、バレー部の主将も務めた。年代別日本代表に招集されても、授業やリポートは免除されなかった。

 「大学は自分で学びに行くところ。大学に入って(人生は)バレーだけではないんだな、と感じた。たくさんの仲間や先輩、後輩、OBの方に出会えて、色々な話をして、視野が広がった。最善の選択だった」

連載「スポーツ推薦を考える」
柳田将洋選手が語ってくれたスポーツ推薦制度について、記者たちも考えました

スポーツ推薦は「あり」 後輩へのメッセージは?

 そんな柳田選手だが、東京・安…

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