同調して無難な服装、元気ない女性たち 川久保玲の怒り

有料記事コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

聞き手・編集委員 高橋牧子
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 日本を代表するブランドであるコムデギャルソンは、新型コロナの影響を受け、9月下旬から開催予定の2021年春夏パリ・コレクションには参加せず、東京でショーを開くことに決めた。レディースでの不参加は約40年前のデビュー以来初めて。反骨心と力強い創造性でファッション界をリードし続けているブランドのデザイナーであり社長の川久保玲が、朝日新聞の単独インタビューに応じ、コロナ禍でのもの作りやいまの社会への思いを語った。テニス界で活躍する大坂なおみ選手にも触れ、現在の女性の生き方についても話した。川久保が新作発表前にインタビューに応じるのは極めて異例だ。

 ――パリ・コレには参加せず、期間外に東京で新作をショー形式で発表する理由は?

 パリへの渡航は、新型コロナウイルスの影響で交通手段や帰国後の隔離期間を考えても物理的に無理だからです。1990年代初めの湾岸戦争の時でも行ったのに、残念です。

 ――作りこんだ映像や写真ではなく、モデルが服を着て実際に歩くショーにこだわるわけは?

 服そのものを見ていただきたいからです。たとえば、名画を映像で見るのと、美術館で本物を前にするのとは全然違いますよね。服であれば人が着たほうが、こちらの言いたいことが伝わりやすい。服と人の体の関係とか、着た時の効果とかは私には関係がない。説明するのは難しいけれど、モデルや買っていただいた人が服を着ると、全てが自然にひとつになって、服がさらに強くなる。服と人の両方が歩み寄るからではないでしょうか。

 ――デジタル表現ではこぼれ落ちるものがあると?

 デジタルはやはり、もどかしいんですよ。半分も伝わらないと思う。服の力や作った人の労力とか、空気感や臨場感……。色んなことが混じり合いますから。

 ――コロナで外出自粛の時期も全く休まず仕事をしていたとか。

記事後半では、10月のレディース新作への思いや、最近の社会の空気についても語ってくれました。

 続けていないと作れなくなる…

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