孔雀模様の仏具、無数のたたいた跡は信仰の証し

有料記事

学芸員 田澤梓
[PR]

孔雀文磬(市指定 草津・観音寺)

 仏教美術では、極楽浄土に関係するモチーフとして「孔雀(くじゃく)」が表現されることがあります。

 毒虫を食べ、魔よけの鳥として尊ばれた一方、美しい羽を持ち、美しい声で鳴くことから極楽浄土に住まう鳥としても考えられていました。「阿弥陀経」では、極楽浄土に住み、その鳴き声は法(仏様の教え)を説く声であると説明されます。

 本品は、僧侶が仏教の儀礼や読経の区切りをつけるのに打ち鳴らす「磬(けい)」とよばれる仏具です。銅製で、たたくと金属特有の鋭く澄んだ音を発します。

ここから続き

 蓮華(れんげ)形の撞座(つ…

この記事は有料記事です。残り315文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら