イランで「コロナに効く」デマ流布 メタノールで死者も

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飯島健太
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 新型コロナウイルスの感染拡大の封じ込めに苦慮するイランで、予防や治療をめぐるウソの情報が流布し、死者が出る事態に陥っている。経済制裁のため医薬品の入手が困難なことも背景にあり、当局が偽情報に注意を呼びかけている。

 地元メディアによると、テヘラン州西部の警察当局は12日、「新型コロナの感染予防に効く」とうたった偽ワクチンを売ったとして2人を逮捕したと明らかにした。2人は1本4億5千万リアル(実勢レートで1800ドル=19万円)の偽ワクチンを52本、売りさばいていたとされる。この偽ワクチンをコロナに感染した家族のために買った男性が不審に思い、警察に相談して発覚。接種した6人が死亡したが、死因と偽ワクチンの関係は不明という。

 イラン保健省は7月、「闇市場に出回る医薬品のほとんどは偽物だ。効果がないだけならまだしも、健康に深刻な害を及ぼす恐れがある」と警告。ただ、米制裁の影響で医薬品の輸入が極めて困難なため、市民は危険を承知で、非正規ルートを通じて買う傾向が強まっている。

 イランの法医学者団体によると、新型コロナ感染者が最初に確認された2月下旬から4月下旬の間だけで、800人近くがメタノール中毒で死亡した。

 インターネットを中心に「アルコールを飲むと感染予防に効果的」という偽情報が流れており、毒性が強いメタノールの混入を知らずに飲む例が多いという。

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