盛り上がらない大阪都構想 「共通の敵」の引退も影響?
大阪都構想の住民投票に向けて、5年前の住民投票で勝利した反対派も、巻き返しをめざす賛成派も、団結しきれていない。「野合批判」や「身内の離反」を懸念しているためだ。現時点で、前回のように盛り上がっていない原因の一つになっている。
「大阪市がいったん廃止されれば、元に戻せません」。市民団体「大阪・市民交流会」は19日夕、大阪市北区の天神橋筋商店街で、都構想反対を訴えて街頭活動した。しかし、参加はわずか30人ほど。今のところ、反対運動は大きなうねりになっていない。
都構想が否決された2015年の住民投票では、連合大阪などがつくった政治団体「府民のちから2015」が結節点となり、自民党や公明党、共産党、当時の民主党が党派を超えて結集。共通のキャッチコピー「We Say NO!」を掲げて共闘した。
今回、状況は一変した。公明は昨春の統一地方選で大阪維新の会が圧勝したことを受け、賛成に方針転換。自民も府議の一部が賛成に転じた。前回の住民投票時に官房長官だった菅義偉首相から、共産との連携を「個人的には全く理解できない」と批判されたトラウマもあり「野合批判」を懸念する。「また共産と共闘すれば内からも外からも責められる」(自民党府連幹部)という。
民主の流れをくむ立憲民主党…
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