ギンズバーグ米最高裁判事死去 リベラル筆頭、後任焦点

ワシントン=香取啓介

 米連邦最高裁判所は18日、最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグさんが膵臓(すいぞう)がんで死去したと発表した。87歳だった。弁護士として性差別撤廃訴訟を数多く手がけ、最高裁判事としてもリベラル派を代表する存在だった。米国ではアイドルのような人気を誇り、頭文字から「RBG」と親しまれた。

 ニューヨーク生まれ。コロンビア法科大学院を首席で卒業したが、女性であることを理由に大手法律事務所などから雇用を拒まれた。米自由人権協会(ACLU)に参加し、1970年代には性差別撤廃の訴訟を数多く勝訴に導き、知名度を上げた。

 連邦控訴裁判事を経て、93年にクリントン大統領から指名され、女性として2人目の最高裁判事に就任。バージニア州立軍事学校が女性の入学を禁じるのは違憲とした、96年の判決などを主導した。2019年にはその半生をたどったドキュメンタリー「RBG 最強の85才」や、若き日を描いた映画「ビリーブ 未来への大逆転」が日本でも公開され、注目を集めた。

 連邦最高裁は、米社会を二分する問題で何度も判決を下してきた。判事は定員が9人で、大統領が指名して議会上院が承認するが、任期や定年はない。ギンズバーグさんの死去によって、保守派が5人、リベラル派が3人となり、次の判事にどのような人が就くかは最高裁の構成に大きく影響する。11月の大統領選・上院選を控え、大きな争点となるのは必至だ。(ワシントン=香取啓介)

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