格差を乗り越えれば幸せか イタリア人監督が投げる問い

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シネマニア経済リポート

 収入も資産も学歴も、自分より「上」にいる人たち。彼らにあこがれ近づこうともがいた末に、幸せは待ち受けるのか――。18日公開のイタリア映画「マーティン・エデン」(2019年)は、20世紀初頭以降の時代設定ながら、今の格差問題と重なる問いを投げかける。新型コロナウイルスの感染拡大がなおも深刻なイタリアから、ピエトロ・マルチェッロ監督(44)が語った。

主に海外の映画から、私たちを取り巻く問題を経済の側面から読み解く「シネマニア経済リポート」。ハリウッドの取材経験が豊富な藤えりか記者が様々な映画や業界事情を紹介する記事を、随時配信します。

 「マーティン・エデン」は、貧しい船乗りのマーティン・エデン(ルカ・マリネッリ、35)が、豪邸に住むエレナ・オルシーニ(ジェシカ・クレッシー)に恋したのを機に、これまで親しむ機会もなかった本を読みふけって作家をめざし、名声や富を求めて挫折を繰り返していく物語。米国の作家、故ジャック・ロンドンの自伝的小説を原作としながら、舞台を米カリフォルニア州オークランドからイタリア・ナポリに移した。主演のマリネッリは昨年のベネチア国際映画祭で、金獅子賞の米映画「ジョーカー」の主演ホアキン・フェニックス(45)をおさえて男優賞に輝いた。

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