ホワイトハウスを一族で「私物化」 ビジネスにも利用

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ワシントン=園田耕司
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 「ワシントンはドナルド・トランプを変えていない。ドナルド・トランプがワシントンを変えたのだ!」

 共和党全国大会最終日の8月27日、トランプ米大統領の長女のイバンカ氏が声を張り上げると、ホワイトハウスの南庭の聴衆が大きな歓声を上げた。イバンカ氏はこの日、4年前の大会に続いて、父親を紹介する役割を担当。登場したトランプ氏は、壇上で娘と抱擁を交わした。

 米国の党大会で、候補者の家族が演説することは珍しくない。しかし、今年の共和党大会でトランプ一族の存在感は際立っていた。イバンカ氏のほか、長男ジュニア氏、次男エリック氏、次女ティファニー氏らが連日登壇して父親を褒めたたえ、ジュニア氏の交際相手やエリック氏の妻も演説をした。

 トランプ氏は、ホワイトハウスでも家族を重用している。イバンカ氏は大統領補佐官の肩書を持ち、夫のジャレッド・クシュナー氏も大統領上級顧問だ。クシュナー氏は元々、トランプ氏と同様、父親から引き継いだ不動産会社を経営していたビジネスマンで、政治や外交の経験はゼロだったが、今では「ホワイトハウス高官の中で最も権力をもつ男」と言われる。

 クシュナー氏が携わる仕事は幅広い。トランプ氏からは中東和平の交渉を委ねられ、8月にイスラエルアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化合意を発表した際は「ほかの人では成し遂げられなかっただろう」と評価された。コロナ対策をペンス副大統領と一緒に担い、大統領選でもトランプ陣営において水面下で重要な役割を担う。

異例の家族重用、忠誠心を重視

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 大統領の家族が政権の政策決…

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