たれは焼く前後に半分ずつ 究極の豚のショウガ焼き

ごはんラボ

栗田優美
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ごはんラボ 豚のショウガ焼き

 スパイスのシリーズ最終回は、ショウガを使う家庭料理の定番を究めます。

 ショウガのさわやかな香りと辛みを生かすために、まず考えたのが、たれをつけるタイミング。肉を焼く前にもみ込むのと、焼いてからからめる方法がありますが、おろしたてのすがすがしい香りと焼いた時の香ばしさを両方とも味わいたいので、焼く前と後に半分ずつつけることにしました。

 使う肉の部位と厚さもポイントです。肉を焼く時、パサついたり、硬くなったりしませんか。この悩みは、薄切りの肩ロース肉を使うことで解決。脂身と赤身が分かれているロース肉(背中の部分)と違い、脂身が全体に入っているので、口当たりよく仕上がります。「ショウガ焼き用」として売られている厚めの肉よりも、薄切りの方が火を通しやすいです。

 たれは、付けあわせのキャベツを巻いて食べるのにちょうどよい味付け。ごはんにもビールにもよく合います。(栗田優美)

豚のショウガ焼き

材料(2人前) 監修:料理研究家・渡辺あきこ

□ 豚肩ロース薄切り 200g 

□ ショウガ 1片(15g) すりおろして大さじ1

□ しょうゆ 大さじ1と1/2 

□ みりん 大さじ1と1/2 

□ 油 小さじ1 

□ キャベツ 2枚(100g)

【作り方】

①キャベツは千切りにし、水にさらす。ざるに上げて水を切り、皿に盛る。 

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②ショウガの皮をよく洗い、皮ごとすりおろす。繊維を断つように垂直に(皮のしま模様が水平になる向きで)おろすときれいに仕上がる。向きを誤ると糸くずのように。 

③ボウルにしょうゆとみりんをあわせ、ショウガを加えてたれを作る。バットに肉を広げて並べ、たれの半量をふりかけてなじませる。 

④フライパンに油を中火で熱し、豚肉を入れて焼く。焼き色がついたら返す。裏も焼けたら、残りのたれを回し入れて火を止める。盛りつけ、焼き汁をかける。 

【動画】ごはんラボ 豚のショウガ焼きの作り方=合田昌弘撮影

*1人前約335kcal、塩分1.8g 

(栄養計算:女子栄養大学栄養クリニック)

ナスのショウガ焼き

2人前の材料はナス3本、たれはしょうゆ・みりん・ショウガのすりおろし各大さじ1。ナスのへたを落とし、縦に3枚に切る。切り口の面(真ん中はどちらか片面)に、幅1cmの斜め格子に切り込みを入れ、水にさらす。フライパンに油大さじ1を熱し、ナスの水気をふき、切り込みを下にして入れる。弱火でふたをして約2分焼き、焼き色がついたら返す。油大さじ1/2を加え、さらに2分ほど焼く。たれを回しかけ、ひと炒めして火を止める。

Cookery Science

 スパイスを加えるタイミングは、形状や目的によって変わる。短時間の下ごしらえには粉末を使う。調理中に風味付けをする際はホールを使い、香りや辛み成分を液体にしみ出させる。刻んだものや粉末は成分が料理に移りやすいので、仕上げに加えると風味を強く感じられる。(監修:香西みどり・お茶の水女子大学教授)

根ショウガと新ショウガ 同じ品種、異なる用途

 国内で最もショウガの栽培が盛んなのは、高知県。JA高知県によると、県内では「根ショウガ」を露地で、「新ショウガ」をハウスで育てています。同じ品種ですが、栽培方法で風味や用途に違いが出ます。

 辛みが強く、おろして使うのに向くのは根ショウガ。秋に収穫し、貯蔵して一年を通じて出荷します。高知のハウス新ショウガの収穫時期は3~9月。辛みが少なくやわらかいので、サラダや漬物向きです。

 根ショウガは長期の冷蔵保存に適さないため、おろすか、小さく切って冷凍するのがおすすめ。新ショウガはポリ袋に入れて野菜室で保存し、早めに使います。

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