西洋料理×中東の味付け…移民の国、融合するカフェ料理

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シドニー=小暮哲夫
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 ちょっと一息しよう。オーストラリアの街を歩いていて、休憩場所を探すのは難しくない。あちこちにあるカフェがフレンドリーに迎えてくれるからだ。でも、コーヒーだけではもったいない。食事も取っていくか。世界各地の食をオージー風にアレンジした料理を出してくれる店もある。そんなカフェを見つけるのは、移民社会のこの国ならではの楽しみだ。

 シドニーの中心部に近い住宅街。静かな通りの角にある「ケポス・ストリート・キッチン」は、訪れた8月のある昼前、屋外のテーブル席のほとんどが埋まっていた。多くの客のお目当ては、フードメニューだ。

 彩り豊かなサラダの上に、スモークサーモンと半熟のゆで卵。「ホット・スモークサーモン・サラダ」は、この店のオリジナルだ。加熱したスモークサーモンと半熟卵の下の冷えたサラダには、ポテトにコリアンダー、刻んだピクルスも入っている。味付けはデュカと呼ばれる中東の調味料。ナッツやゴマにスパイスを混ぜてあり、意外なほど、あっさりとした塩味だ。

 西洋料理のスモークサーモンと、中東風の冷製サラダの組み合わせは、多文化社会ならではのフュージョン(融合)メニューと言える。この店が人々を引きつける理由がここにある。

 オーナーシェフ、マイケル・ランティッシさん(43)はイスラエル出身で、ほかにもフュージョン料理を次々と考案してきた。

 「アラエス・ピタ」は、肉と…

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