沈むNY「まるで80年代」 感染収まったのに人戻らず

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ニューヨーク=江渕崇
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経済インサイド

 新型コロナウイルスの感染者数が最多の米国で、その「激震地」となったニューヨーク(NY)が、空洞化の危機にひんしている。コロナの感染は抑え込んだのに、肝心の「人」が戻らない。金融やメディア・娯楽産業の世界的中心地は、このまま地盤沈下していくのか。

 NY観光やビジネスの中心地、マンハッタン・ミッドタウン地区。高級ブランドが並ぶ目抜き通り「五番街」は、空っぽの店舗スペースが目立ち、コピー品の売人たちが数十メートルおきに陣取っている。シャッターを下ろした劇場の前に、ホームレスが段ボールを広げる。

 客が一人もいない土産屋では、店員が暇そうにスマホをいじっていた。

 ブロードウェーミュージカルなど主な娯楽施設は3月から休止が続く。NY州は、いまだ感染が広がる約30州からの旅行客に2週間の隔離を義務づけ、人の流入を制限している。街のにぎわいをつくりだしてきた国内外からの観光客は、ほぼ消えた。

 自宅勤務が当たり前になり、高層オフィスビルの多くは平日昼間も明かりが消されたままだ。NYに拠点を置く大企業経営者らの団体によると、8月半ばまでにオフィス勤務に戻った従業員はわずか8%。今年末でも26%にとどまる見込みだという。

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