ひろしまタイムラインの描写、朝鮮史の専門家に聞いた

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聞き手・武田肇
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 「ひろしまタイムライン」が批判される端緒となったのは、終戦直後、超満員の列車で、朝鮮人が乗客を威圧して座席を奪ったとする「シュン」の投稿だった。NHKは「現代においてどう受け止められるかについての配慮が不十分でした」と釈明したが、こうした場面は存在したのだろうか。朝鮮近現代史に詳しい水野直樹・京都大名誉教授に聞いた。

        ◇

説明抜きの扇情的ツイートは問題

――「シュン」がツイートした内容をどう見ますか。

 終戦時、日本国内には炭鉱や軍事施設の建設に動員された数十万人の朝鮮人がいましたが、多くは日本に生活基盤はなく、故郷への帰還を望みました。しかし、準備不足の日本政府は必要な措置をとれず、在日朝鮮人の団体に協力を求めました。政府が対応を変える46年の春ごろまで、在日本朝鮮人連盟(朝連)が帰還業務を代行し、多くの朝鮮人が朝連の発行する証明書を持ち、列車で引き揚げ港まで移動するといったことが行われました。そうした経緯から、一部の朝鮮人が鉄道の切符や座席の優先権を持つかのように考えていたことは事実だと思います。そのような説明を抜きに扇情的な表現でツイートをしたのは大きな問題だと思います。

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――シュンのツイートには、1…

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