「もし違っていたとしても」 9年半後、遺骨で戻った妻

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東野真和
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 岩手県大槌町で東日本大震災後、遺体で見つかった女性の遺骨が、家族5人を失った会社役員・三浦憲(あきら)さん(62)の妻裕子さん(当時53)とわかり、15日、家族が引きとった。震災から9年半の歳月を経た背景には、県警の調査の積み重ねと、捜し出したいという三浦さんらの執念、そしてためらいがあった。

 この日の朝、町の高台に震災後建てられた身元不明者の納骨堂から、白い布に包まれた骨箱が一つ取り出され、三浦さんと長男の会社社長・崇さん(34)に引き渡された。2人の目からこらえていた涙があふれ、「震災の時の記憶がよみがえって」と話した。

 三浦さんは大槌町で裕子さんや母の洋子さん(当時77)、娘2人と孫を失った。洋子さんの遺骨は見つかったが、ほかの4人は不明のままだった。一家で連日、遺体安置所を回り、裕子さんと同じ、髪を三つ編みにした遺体も見つけた。背格好も似ているが、津波後の火災で損傷がひどく、決め手に欠け、その後、遺体は火葬された。

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 2018年8月、三浦さんは…

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