菅総裁の強みと弱み 見えない「自分型」の具体像

有料記事自民党総裁選2020

津阪直樹 二階堂友紀 北見英城
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 安倍政権の継承を掲げて自民党の新総裁に選ばれた菅義偉官房長官だが、今後、総裁選でこだわりを見せた縦割り打破や地方重視に絡む政策では独自カラーを打ち出しそうだ。一方、外交・安全保障分野の手腕は未知数との指摘が多く、山積する外交課題にどう臨むのかが問われる。

 「役所の縦割り、既得権益、先例主義、こうしたものを打倒して規制改革をしっかり進めていきたい」

 菅氏が14日の記者会見で、今後の抱負として真っ先に挙げたのは、縦割り打破や規制改革だった。

 総裁選でも、複数の省庁に所管が分かれるダムを一元的に運用して水害対策を進めたことや、外国人観光客のビザ緩和に消極的だった法務省警察庁を動かしたことなどを実績として何度もアピールしてきた。

 その縦割り打破の目玉として菅氏が着目したのが、コロナ禍で対応の遅れが明らかになった行政のデジタル化の推進だ。各省庁が別々に進めてきた施策を「デジタル庁」に一元化し、マイナンバーカードの普及を進めると訴える。14日の会見でも、厚生労働省を説得してマイナンバーカードと健康保険証との統合に道筋をつけたことを披露。運転免許証との統合も検討しているとし、デジタル庁創設に向け、「法改正も早速やっていきたい」と明言した。

 ただ、行政のデジタル化は安倍政権でも何度も成長戦略に盛り込まれながら、ほとんど進まなかった経緯がある。マイナンバーカードの活用拡大には、政府に情報を一元管理されることに対する国民の抵抗感もあり、そうした課題をどう克服していくかも問われる。

菅新総裁は、既得権益の打破や地方重視の実績を強調します。ただ、成果の乏しさが目立ち、「苦手」とされる外交も未知数です。

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 「既得権益」のやり玉に何度…

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