大坂なおみに「恋に落ちた」 あのマスクが息子を再び

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ニューヨーク=藤原学思
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 テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手は、過去に警察官らの手によって亡くなった黒人の犠牲者の名が記された7枚のマスクを大会に持参し、そのすべてを披露した。決勝で紹介された少年の母親は、朝日新聞の取材に「私たちを支えてくれて、息子を覚えてくれていて、ありがとう」と大坂選手への感謝を語った。

 12日夕、大会開催地の米ニューヨーク。大坂選手は、黒地に白の文字で「TAMIR RICE」と書かれたマスクで登場した。

 2014年11月、米中西部オハイオ州クリーブランドに住むタミル・ライスさん(当時12)は、2歳上の姉と自宅の向かい側の公園で、おもちゃの拳銃を持って遊んでいたところを通報された。

 駆けつけた警察官は現場に到着後、すぐに発砲した。銃弾が当たったタミルさんは翌日、亡くなった。警官は15年末、大陪審で不起訴とされた。

 昼食に七面鳥のサンドイッチとフルーツを食べて出かけたまま、帰らぬ人となったタミルさん。4人きょうだいの末っ子として、母親のサマリアさん(42)にいつも甘えていた。サマリアさんはいまも、息子が大切にしていたテディベアやミニカーを捨てられない。

 今年、18歳になるはずだった。「愛くるしくて、気遣いができて、とてもやさしい子だった。サッカーとか水泳とか、スポーツが大好きだった。アスリートになっていたかもしれない」

 息子の死から約6年。ミネソ…

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