「不発弾はじけた」 JDI、上場急いだ末の不正会計

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高橋諒子 小出大貴 内山修
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経済インサイド

 液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)は1千億円超の債務超過に陥り、金融支援の交渉を焦っていた。そこに昨年11月下旬、不正会計の激震が襲った。

 東京・新宿の閑静なホテルで早朝、意識不明の男性が発見された。病院に運ばれたが、その後死亡した。薬物による自殺を図ったとみられる。持っていた携帯電話には、着服や不正な会計処理に関わったことを示す文言が残されていた。

 男性はJDIの経理担当幹部だったが、5億円余を着服したとして前年末に懲戒解雇されていた。自殺を図った11月27日、JDIは前日に男性から受けた通知をもとに、不正会計の社内調査に乗り出すと発表した。

 第三者委員会は今年4月、140ページに及ぶ報告書をとりまとめた。そこには、「不正会計の教科書」(法令順守に詳しい弁護士)とも言うべき手口の数々が並ぶ。100億円規模の架空在庫の計上、費用や損失の計上先送り、固定資産の減損損失の回避……。JDIは株式上場以後、6年半にわたる決算を修正する事態に見舞われた。

 男性の元同僚は、前々から組織の危うさを感じていた。

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 そして不正会計の公表を受け…

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