73年前のカスリーン台風 住職は今も犠牲者の名を探す

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根岸敦生
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 73年前の1947年9月15日、カスリーン台風による豪雨で、渡良瀬川が氾濫(はんらん)した。各所で堤防が決壊した栃木県足利市では市街地に大きな被害が広がった。4歳で台風を体験した徳蔵寺(足利市猿田町)の源田晃澄(こうちょう)住職(77)はその記憶を語り継いできた。

 徳蔵寺は被害がひどかった岩井町の旧十念寺堤の決壊箇所の下流に当たる。台所の母親が「水が出た」と叫び、渡良瀬川の氾濫に気がついたという。夜半にかけて水位は上がり続けた。水は庫裏(くり)から本堂、須弥壇(しゅみだん)と上がり、追い詰められていった。最後は本堂の屋根裏に逃れたという。

 「すすだらけの屋根裏にいると、『助けてくれ』という声が聞こえてきた。枝にすがっていた人は力尽きて流されていった。声が遠くなっていった」

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 9月13~15日の3日間の…

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