里山や遊休農地に牛を放牧し、手入れしながら酪農をする。そんな試みが長野県で始まっている。「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の観点からも注目される「山地(やまち)酪農」。その技術を岩手県の牧場で修業した青年たちが、次々と独立しているのだ。地域再生の拠点として期待が高まる。
夫妻で人口387人の村へ
「こぉこぉこぉこぉー」
幸山(こうざん)明良さん(35)が呼ぶと、牛たちは里山に上ってきて伸びた雑草を食べる。こうして牛は「舌(下)草刈り」をし、踏み固めた所は道になっていく。
人口883人の長野県根羽村。幸山さんは2017年秋に移住し、自然の草ともらい物のおからだけで4頭の雌牛を育てている。牛舎はなく年中放牧している。牛の毛並みは美しく、ふんは臭わない。7月下旬から種牛も飼い始め、来夏には自然交配で出産した雌牛から乳を搾る予定だ。
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村では第三セクター「ネバー…
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