東京五輪にわく銀座 21歳のまなざしが残した1964

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山本亮介
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 無名の写真家が、東京五輪にわく1964年の銀座を収めた写真集「GINZA TOKYO 1964」が出版された。銀座の書店主が今夏の五輪に合わせて企画したが、新型コロナウイルスの影響で大会は延期に。それでも出版に踏み切ったのは、店主の強い思いからだった。

 万国旗がなびく建物の前を行き交う人。新婚旅行中のようなカップル。アイビールックの若者たちと、その前を通り過ぎる初老の男性。たばこの吸い殻やゴミ箱――。写真集には120枚のモノクロ写真が並ぶ。

 撮影したのは64年当時、21歳の写真家、伊藤昊(こう)さん。フリーで活動後、30代で栃木県益子町に移住し、2015年に亡くなるまで陶芸家として活動した。

「こんな銀座は見たことがなかった」驚いた編集長

 没後、妻の公子さん(74)が仕事場を整理すると、2階の片隅に「写真」と書かれた段ボール箱が二つ見つかった。銀座や横浜を写した約300枚の写真が丁寧に収められていた。夫が写真家だったことは知っていた。どうして残したのかなと思いつつ、多くの人に見てもらえたら、とも考えるようになった。

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 試しに銀座のギャラリーを何…

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