日本最古の巡礼路とされる「西国三十三所」の宝物を一堂に集めた特別展「聖地をたずねて 西国三十三所の信仰と至宝」が京都市東山区の京都国立博物館で開催中だ。仏像や絵巻、経典など国宝、重要文化財を含む約170件を展示。1300年に及ぶ歴史がたどれる。

 西国三十三所は718年、奈良・長谷寺の徳道上人が閻魔(えんま)大王のお告げを受け、起請文と33の宝印を授かったことが始まりと伝わる。平安後期には成立していたとみられ、近畿と岐阜の7府県に点在する33の観音霊場(札所)を巡る信仰となり、巡礼路の総距離は約1千キロにも及ぶ。

 会場には33の札所(寺院)にまつられる様々な観音菩薩(ぼさつ)像が並ぶ。奈良・岡寺(龍蓋寺(りゅうがいじ))の重要文化財「菩薩半跏(はんか)像」は寺伝では本尊の胎内から発見された如意輪観音とされ、古い観音信仰を伝える。京都・頂法寺(六角堂)の秘仏「如意輪観音坐像(ざぞう)」は、平清盛の娘で安徳天皇の母の建礼門院徳子が安産祈願のため寄進したと伝わる。

 当初、修験者や修行僧が中心だ…

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