禁止だけど「ブラボー」 ウィーン国立歌劇場で上演再開

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ウィーン=松井健
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 歌にどんなに心を動かされても「ブラボー」と叫ばないでください――。

 世界最高峰のオペラ座として知られるウィーン国立歌劇場で7日、今シーズンの上演が始まった。昨シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大で中断され、約6カ月ぶりのオペラ上演となる。歌手たちの週1回の検査や聴衆のマスク着用、座席を離すなどの対策をとり、例年通りに開幕した。

 開幕公演では、長崎を舞台にしたプッチーニの「蝶々夫人」をフィリップ・ジョルダン新音楽監督が指揮した。

 大きな劇場とはいえ、密閉された空間に多くの聴衆が集まるため、劇場はさまざまな対策をとった。中でも話題になったのは、感激した聴衆が叫ぶときの飛沫(ひまつ)を防ぐための「ブラボー禁止」だ。歌手たちが見事な歌を披露した後や上演終了後には付きものだが、劇場側は「ブラボーはあきらめて、可能な限り大きな拍手で感激を表現して」と呼びかけた。不満を表す「ブー」については明記しなかったが、ボグダン・ロシュチッチ総裁は地元メディアに「エアロゾル(空気中を漂う微粒子)の排出はブーのほうが激しい」と話した。

 ただ、初日は、第1幕終了後こそ拍手だけだったが、第2幕の名旋律で知られるアリア「ある晴れた日に」の後には複数の「ブラボー」が飛んだ。終幕後のカーテンコールでも最初は控えめだったが、次第に熱狂した聴衆の一部が「ブラボー」を叫んだ。

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 コロナ対策としてはほかにも…

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