栗東・金勝寺の僧形神坐像 強烈な神威、神仏習合の跡

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琵琶湖文化館主任学芸員 和澄(わずみ)浩介
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 日本古来の神と大陸から伝わった仏を一体のものとして信仰する形を神仏習合と言います。神仏習合の思想は、江戸時代以前の日本では当たり前のように根付いていました。

 明治初期の神仏分離政策を経て、神と仏は明確に区別され、神仏習合の痕跡がうかがえる機会はわずかとなりました。それでも、神社に仏像が伝わり、寺院に神像がまつられる場面に出会うことがあります。

 栗東市の南東部にそびえる金勝山(こんぜやま)の中腹に伽藍(がらん)をかまえる金勝寺(こんしょうじ)には、10体ほどの神像が伝わります。そのうちの1体、僧形神坐像は高さ55センチと最も大きく、中心的な存在であったと考えられます。

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 また、造立時期は10世紀に…

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