自分いないと回らない状態に 菅義偉氏の上り詰める手法

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聞き手・神田大介
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【朝日新聞ポッドキャスト】 菅義偉官房長官

 「令和おじさん」というかわいいあだ名とは裏腹に、記者会見ではいつも仏頂面で、「その指摘は全く当たらない」などと紋切り型の回答を繰り返す。菅義偉官房長官には地味でこわもての印象がつきまといます。

 そんな彼が首相の座に上り詰めようとしているのは、「すごく仕事ができるから」という評価があります。どういうことなのか、PDCA(計画、実行、評価、改善)をどう回しているのか。政治記者歴の長い朝日新聞の秋山訓子・編集委員に聞きました。朝日新聞ポッドキャストでお聞きください。主な内容は以下の通りです。

・仕事スタイルは「一生懸命」、裏方仕事をいとわない

・人事を握るスタイルも昔から一貫していた

・短期的な課題解決は得意、では大きなビジョンは……

・鋭い眼光、でも女性支持者に愛される理由

・若い政治家にない魅力とは

写真では

「森友」「総理やじ」「志村けんさん」……菅義偉官房長官が記者会見に臨む際、書類につけていた印に注目しました。

有料会員の方は

音声の主な内容をテキストでも確認していただけます(音声の内容をそのまま書き起こしたものではありません)

     ◇

Q:地方議員から国政に転じる政治家は少なくないですが、菅さんは横浜市議を2期しか務めておらず、かなり短い印象があります

A:若手と言っていいでしょう。ですが、当時の横浜市長(故・高秀秀信氏)から、抜群の信頼を勝ち得ていた。1期目からです。市長は官僚出身で、政策は手堅いのだけれど、根回しを始め政治まわりのことがあまり得意ではありませんでした。でも、菅さんはそこを一手に引き受け、あっという間に市長の信頼を勝ち取った。

 この点は彼の生き方に通じます。どこか1カ所、ここと決めると猛烈に働きまくって、自分がいないと回らないという状態にするんですよ。秘書をして頭角を現した小此木彦三郎さんの下でもそうでした。

 もちろん、菅さんよりベテランの横浜市議はたくさんいました。だけど、彼は特に市の役人たちの人事について、相談を受けてかなり差配していました。

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 私は当時、記者として横浜市…

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