鷲田智憲
けっぱつちゃん、お帰りなさい――。一昨年、左足が見つかった山形大学付属博物館(山形市)の結髪(けっぱつ)土偶(縄文時代晩期)が約10カ月間の修復を終え、同館に帰ってきた。クラウドファンディングで集めた修復費で約100年ぶりに左足が接合された土偶は来月、同館で公開される。
結髪土偶は、髪を結った姿が特徴の女性を模した土偶。1921(大正10)年に寒河江市の石田遺跡で発掘された。遺跡からは縄文、弥生時代の遺物が出土し、今は住宅や畑になっている。
上半身と左足は割れ目が比較的新しく、発掘時に割れたとみられる。地元の大地主が両方を所有していたが、上半身のみを地元の郷土博物館に寄贈。後に山形師範学校の郷土室(山形大付属博物館の前身)に渡った。大地主の家にあった左足もその後、寒河江市に寄贈されたという。
山大付属博物館の上半身と寒河江市の左足は一体の可能性があるとの研究者の指摘で、2018年7月に久しぶりの「再会」が実現。市は左足を同館に寄贈していた。
同館が昨年7月から2カ月間、…