チェコ上院議長、台湾を初訪問 背景に中国への反発

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ウィーン=吉武祐 台北=西本秀
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 東欧チェコのビストルチル上院議長が外交関係の無い台湾を訪問し、中国が強く反発している。大統領に次ぐ地位に遇される上院議長の訪台は初。台湾の国会に相当する立法院でも演説した。チェコで広がる中国への反発が背景にあり、米国も絡む国際政治の複雑な構図を反映している。

 「私は台湾人です」。1日、立法院で演説したビストルチル氏は、1963年に米国のケネディ大統領が冷戦下の西ベルリンを訪れて「私はベルリン市民だ」と語った逸話に触れ、中国から圧力を受ける台湾への連帯を表明した。

 立法院によると、外交関係のない国の国会議長が演説するのは初めて。約90人を率い8月30日に到着したビストルチル氏は3日には蔡英文(ツァイインウェン)総統と会談する。

 中国は巨大経済圏構想「一帯一路」で中東欧諸国を取り込み、それをテコに欧州との関係強化を図る戦略を描く。チェコのゼマン大統領は中国と欧州連合(EU)のパイプ役を自任し、訪中を重ね経済協力の旗を振ってきた。

 だが、投資事業が予定通り進まないなどの理由で、チェコ国内には中国への失望が拡大。プラハ市のフジブ市長が北京市上海市との友好関係を犠牲にし、今年1月に台北市と友好関係を結ぶ動きも表面化した。

決定打は中国の「脅し」

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 決定打は中国の「脅し」だっ…

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