第1回改憲機運、自ら潰した安倍政権 傲慢が招いた世論の反発

有料記事考 最長政権

編集委員・国分高史 星野典久 菊地直己
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 絶頂期は4年前だった。

 2016年7月10日の参院選投開票日。自民党本部で当選者の名前に花をつける安倍晋三首相は、カメラに満面の笑みをたたえていた。最終的に3分の2を超える「改憲勢力」を衆参両院で確保した首相は、悲願の憲法改正について「しっかりと橋がかかったんだろうと思っている」との手応えを示した。

 「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」。こんなビデオメッセージを改憲派の集会に送ったのは、その次の憲法記念日のことだった。

 だが、その橋を渡ることはなかった。06年からの第1次政権で改憲手続きを定めた国民投票法を成立させた安倍首相だが、2次政権では具体的な改憲案を国会で議論することはできなかった。28日の退陣表明の会見では、「憲法改正、志半ばで職を去ることは断腸の思いであります」と無念を語った。

 なぜ首相は憲法改正を進められなかったのか。

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 12年末の政権奪還直後は…

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