福島)3・11の語り部証言、映像に 富岡町のNPO

力丸祥子
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 富岡町民らでつくるNPO法人「富岡町3・11を語る会」は、震災と原発事故を経験した語り部の証言を映像で残す活動を始めた。新型コロナウイルスの影響で、語り部ツアーのキャンセルが相次ぎ、貸し出しができるDVDの必要性が高まった。

 「活動を通じ、思い出やつながりがたくさんできました。これからも心を込めて語ります」

 7月上旬、郡山市に避難を続ける坂本孝子さん(80)が収録に臨んだ。時折、目に涙を浮かべながら、カメラに体験を話した。手元に原稿は用意したものの、ほとんど自らの言葉で語りかけた。

 がん治療の退院翌日に震災に遭い、防災無線が聞こえず、向かった避難所に入れなかったことや避難生活中の闘病の話。さらに語り部の活動を通じ、元気を取り戻していったことなどを約20分で話した。

 収録を終えた坂本さんは「避難の様子は一人一人違う。最近は災害が多発するので、避難所を運営する自治体の人などに見てほしい」と話した。

 会員約15人すべての証言を収録する。「語り部として一番伝えたいこと」「町で一番の思い出は」など共通の質問も含め、1人あたり30分程度のDVDに仕上げる。

 代表の青木淑子さん(72)は「生身の人間の記録を残すことが一番の目的。いずれはネット配信なども検討したい」と話している。(力丸祥子)

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