積もった不信、コロナ対策にも 長期政権が社会を分断

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 約7年8カ月に及ぶ最長政権を達成しながら、直後にまさかの辞任表明。新型コロナ対応に批判も多かったが、安倍晋三首相の政治手法や政権運営をどう評価すればいいのか。社会学者の西田亮介・東京工業大学准教授に、若い世代から見た安倍政権の功罪を聞いた。

コロナ対策、うまくいかず

 安倍晋三首相の今回の辞任表明は、一般的に考えればあり得ないタイミングです。健康問題でやむを得ない面があるものの、新型コロナウイルス対策で先頭に立ってきたリーダーがいなくなれば対策の一貫性を欠くことになります。

 1983年生まれ。立命館大学准教授などを経て2015年から現職。専門は公共政策の社会学。著書に「メディアと自民党」「コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か」など。

 辞任のタイミングは国にとってマイナスですが、逆にコロナ対策をやり直せる好機にできる、とも考えます。

最大の特徴は二つの分断

 現在、安倍政権のコロナ対策はうまくいっていません。出す情報やメッセージの内容を問わず不満を持つ層からは、政策を打ち出す度に批判が起きます。これでは、たとえ有効な政策を打ち出しても信頼を得られず機能しないでしょう。次の政権が課題を払拭(ふっしょく)して安倍不支持層の信頼を回復し、信頼を得られれば、自粛要請を中心とする日本のコロナ対策もうまく機能する可能性があると思います。

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 7年8カ月に及ぶ安倍政権の…

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