「反対運動の方が風評被害」寿都町長、処分場応募へ意欲

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伊沢健司 佐久間泰雄 斎藤徹 松尾一郎
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 原発使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をめぐり、国の候補地選定プロセスへの応募を検討している片岡春雄・寿都町長は26日、町議や地元の産業団体の代表者らと意見交換し、改めて強い意欲を示した。海山の幸に恵まれた「日本の食糧基地」北海道は国土の2割を占め、人口密度が低いことから、最終処分場の候補地として目を付けられやすい。核のごみとはどのようなものなのか、核のごみをめぐり、これまで北海道ではどんな議論がされてきたのか。(伊沢健司、佐久間泰雄、斎藤徹、松尾一郎)

 この日、寿都町の片岡春雄町長が開いた意見交換会に参加したのは、町議9人全員に加え、寿都町漁業協同組合▽寿都水産加工業協同組合▽寿都建設業協会▽寿都商工会▽寿都観光物産協会の産業5団体などの代表者11人。非公開で一般の町民は対象にしなかった。2時間以上にわたり、賛否の意見が交わされたという。

情報不足を謝罪、「時間をかけて説明する」

 意見交換会後に記者会見した片岡町長によると、国の候補地選定の第1段階「文献調査」への応募の検討について、情報不足を指摘する声が相次いだ。片岡町長は謝罪するとともに、時間をかけて説明することを約束したという。

 会見では「恐怖なんですよ、コロナというものが」と発言。新型コロナウイルスによって財政が悪化することへの将来の不安感が、応募検討の背景にあることを改めて説明した。

 国による地元への説明については「現状では国の支援をいただくつもりはない」と述べた。理由として「国に押し切られているのではないかと、いらない不安感が出る。私が説明して乗り切りたい」と話した。

 応募を検討したことで生じる風評被害について問われると「私自身はないと思っています」。そのうえで、寿都の商品を買わないとの声がすでに町内の業者に寄せられていることを明かし、「反対運動の方、そのものが風評被害だと思う」と不快感を示した。

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 片岡町長は9月以降、町内全…

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