コロナからの回復 環境にやさしく COP26議長寄稿

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編集委員・石井徹
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 新型コロナウイルスの影響で、11月に英国で開催される予定だった第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が、1年間延期された。今年は、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」がスタートする重要な年。COP26は、パリ協定を進める上で重要な会議になるはずだった。温暖化対策の強化は一刻を争う。コロナ禍のなか、世界は何を目指さなければならないのか。COP26で議長を務めるアロク・シャルマ氏(英ビジネス・エネルギー・産業戦略相)が、朝日新聞にメッセージを寄せた。

 地球は岐路に差しかかっている。新型コロナウイルスからの回復を図る中、世界各国は自国経済の再生政策を打ち出している。世界が環境にやさしい回復を果たせるのか、そして今後の世代にとって以前より強靱(きょうじん)な世界になるのかは、我々がいま下す決定によって定まるだろう。

 来年11月に予定されるCOP26の議長国として、英国は炭素排出量の削減に向けたグローバルコミットメント(世界への約束)を提言したいと考えている。気候変動生物多様性の損失、公衆衛生をめぐる連鎖した緊急の課題にも対処できるグリーン・リカバリー(緑の回復)への投資を世界各国に要請したい。

 今年3月以降、英国政府は持続可能な未来を築くために具体的な対策を講じている。議長国の任期を通して多国間協議を進めるほか、主要5分野での対策に焦点を置く。クリーンな輸送、エネルギーの移行、自然を基盤とした解決策、適応および強靱(きょうじん)化、金融の5分野だ。

 我々は、輸送のクリーン化を推進して自分たちが呼吸する空気を浄化しなければならない。世界の自動車販売台数のうち乗用車と小型トラックの比率は7%で、道路輸送に起因する世界的な排出量は、他のどの要因の排出量よりも急激に増加している。

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