コロナ禍で利用客が減り、地方路線を基盤にする鉄道会社の経営が厳しさを増している。もともと鉄道事業への依存度が高いうえ、伸びつつあった観光客が急減。こうした状態が長期化すれば、路線の維持にも影響を及ぼしかねない。

 神戸市中心部と「日本三古泉」と呼ばれる北部の有馬温泉を結ぶ「有馬線」など計5路線(総延長70キロ)をもつ神戸電鉄。2020年4~6月期決算の営業損益と純損益が、この期間としては初めて赤字に転落した。坂本義之・経営企画部部長は「経験したことのない厳しい業績。鉄道の割合が大きい事業構造をゼロベースで考え直す必要がある」と話す。

拡大する写真・図版利用者が減少している神戸電鉄の車両=神戸市兵庫区、神山純一撮影

拡大する写真・図版神戸電鉄の車両=同社提供

 同社の売上高の約6割を鉄道、バス、タクシーの運輸部門が占める。とくに鉄道の落ち込みが激しく、旅客収入は定期外が前年同期比54・8%減で、全体でも同41・5%減だった。

こんぴらさん、厳島神社……観光路線の現状は?

 有馬温泉を訪れる客を増やそう…

この記事は有料記事です。残り1130文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り1130文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り1130文字有料会員になると続きをお読みいただけます。