11月の米大統領選に向けて、共和党のトランプ米大統領と民主党のバイデン前副大統領が激突する構図が固まった。新型コロナウイルスの直撃を受けて、劣勢となったトランプ氏が巻き返せるのか。あるいは、バイデン氏が競り勝つのか。双方が不安を抱えるなか、事実上の一騎打ちが本格化する。(ワシントン=園田耕司、大島隆)
「世界で最も偉大な経済を築きあげた」「中国からの入国禁止がなければ数百万人が死んだだろう」――。24日に始まった共和党全国大会の登壇者たちは、口々にトランプ氏の「実績」を強調した。
しかし、トランプ氏の再選戦略は厳しい。新型コロナの感染者、死者はともに世界最悪で、頼みだった経済も失業率や成長率が戦後最悪の水準となっている。政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」による世論調査の平均値では、22日現在の支持率はトランプ氏42・4%、バイデン氏50・0%だ。
米国の大統領選は州などに割り当てられた計538人の選挙人の過半数を得た候補が勝利する。このため、4年前のトランプ氏のように、総得票で対立候補を下回っても、選挙で勝つことは可能だ。しかし、バージニア大政治センターの予測では、選挙人でもバイデン氏が優勢だ。前回はトランプ氏が獲得した接戦州のうち、ミシガン州やウィスコンシン州など中西部の「ラストベルト(さびついた工業地帯)」だけでなく、フロリダ州やアリゾナ州など南部の「サンベルト(太陽光地帯)」でもバイデン氏が有利か、互角だ。
フロリダやアリゾナは高齢者が多く、新型コロナの被害も深刻だ。同センターのカイル・コンディック氏は「コロナは改善の兆しが見えない。経済悪化も、トランプ氏の支持を落とす要因となっている」と語る。
4年前もトランプ氏は世論調査で劣勢でありながら、民主党のクリントン氏に勝った。トランプ支持者が調査に回答しないからだとも言われ、元トランプ陣営のサム・ナンバーグ氏は「共和党の得票は世論調査よりも良くなる。彼は必ず再選するはずだ」と語る。
ただし、ニュースサイト「53…