としまえんの誇り・エルドラド 愛され過ぎて「事件」も

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中井なつみ
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 8月31日に閉園する東京都練馬区の遊園地「としまえん」。94年の歴史がある園には、親子3代、4代にわたって思い出がある人も少なくない。中でも園のシンボルである回転木馬「エルドラド」には、コロナ禍の入場制限がかかる中でも、最後の思い出を作ろうと連日多くの客が詰めかけている。

 8月中旬、園のゲートが開く午前9時。多くの客が一目散に駆け寄ったのが、「カルーセルエルドラド」だ。世界最古級の回転木馬としても知られるエルドラドは、数奇な運命をたどりながら、復活を遂げてきた乗り物だ。

 1907年、ドイツで誕生。機械技師であるヒューゴー・ハッセの最高傑作と伝えられ、手彫りで作られた馬などの動物たちの表情が一つずつ異なるほか、きらびやかなゴンドラの装飾も趣向が凝らされている。

 ヨーロッパで各地を巡業したが、第1次世界大戦前の社会情勢悪化でアメリカへ。ニューヨークの遊園地で多くの人に愛されたが、遊園地が不況の影響などで閉園。解体されて倉庫に眠っていたのを、69年にとしまえんが購入し、日本にやってきた。2010年には日本機械学会が「機械遺産」に認定。園によると、71年の営業開始から49年間で、延べ2630万人の客を乗せてきたという。

 「40年ぶりに来たの」

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 東京都練馬区の増田初枝さん…

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