第1回ひとり親控除の天王山 女性議員はカツ弁当食べて論戦へ

有料記事シングルマザーと永田町

編集委員・秋山訓子
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 新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活を大きく揺さぶっている。ただでさえ経済的に厳しいシングルマザーやシングルファーザーは特に深刻だ。それだけに、ひとり親を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の理事長赤石千衣子は、例年にも増して慌ただしい日々を過ごしている。

 この6月、緊急事態宣言が解除になったのを待ち、赤石と会った。ひとり親家庭への食料支援、シングルマザーのオフィスワーク就労支援プログラム、厚生労働省訪問……。超多忙でも、赤石は取材の時間を作ってくれた。

 なぜか。「未婚のひとり親を支援する画期的な税制改正を成し遂げた経緯を教えてほしい」。そうお願いしたところ、応じてくれたのだ。赤石にとって、それだけ思い入れの強い税制改正とは何だったのか。

 時計の針をコロナ禍の前、昨年末まで戻してみたい――。

    ◇

 「未婚のひとり親を」

 「差別しないでください!」

 「未婚のひとり親の子どもたちを」

 「差別しないでください!」

 昨年12月10日昼、東京・永田町自民党本部9階。与党議員たちが集まる会議室につながる廊下には、その場に不似合いな女性たち十数人が並び、プラカードを手に声を合わせていた。

今年の年末調整から、「未婚の寡婦(夫)控除」が実現します。背景には市民団体と国会議員がタッグを組んだ女性たちの取り組みがありました。彼女たちがどう動き、税調幹部や財務省がどう動かされていったのか。7回連載でお伝えします。

 赤石らひとり親を支援する団…

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