シカ肉、ペットフードに活路 自治体の財布にも優しく

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前田伸也 滝沢貴大
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 野生のシカの肉が、ペットフードの原料として注目されている。農地や森林を荒らす害獣として捕獲したシカの大半は廃棄され、食肉用に解体されても、食卓にたどり着く部位はほんの一部。でもペット用なら、高たんぱく低カロリーの良質な肉を、余すところなく使えるという。

 環境省農林水産省によると、2018年度の全国のシカの捕獲数は約57万2千頭。そのうち食肉向けなどに解体したのは1割強の7万4136頭で、大半は焼却されるか埋められているという。高値で売れるモモやロース以外の部位の肉の需要が少なく、処理までの鮮度を保つ必要があることも流通しにくい要因とされている。

 シカの捕獲数が北海道、兵庫県に次いで多い大分県。昨年度の農林業の動物による被害総額は約1億7200万円で、その約4分の1がシカの仕業だという。

 同県北東部の国東半島は有数のシカの生息地として知られる。国東市の田口幸子さん(48)は14年、ペットフードを手がける「タグナイト」を設立。捕獲した年間約150頭のシカを施設で解体し、ペットフード用のミンチやジャーキーに加工している。

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 写真店を営んでいた田口さん…

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