わき毛「剃るかは自由」 強迫観念に一石、広告の現在地

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関口佳代子
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 企業が生き方や容姿の多様性を訴える動きが広がっている。「らしさ」の押しつけに抗議する消費者の声が背景にあると識者は指摘する。

 「#剃(そ)るに自由を」

 渋谷駅近くの商業施設「MAGNET by SHIBUYA109」に設置された巨大広告。CGで作られたキャラクター「MEME(メメ)」が頭の上で手を組み、剃られていないわき毛を見せる。カミソリを作る貝印(東京)によるキャンペーン広告で、「ムダかどうかは、自分で決める。ムダ毛を気にしない女の子もカッコいいし、ツルツルな男の子もステキだと思う。ファッションも生き方も好きに選べる私たちは、毛の剃り方だってもっと自由でいい。 #剃るに自由を」という言葉が添えられている。

 貝印の広報宣伝部宣伝リーダーの斉藤淳一さんによると、SNSでの声を受け、1年ほど前から体毛の処理をめぐる問題について検討してきた。20代の若者に剃毛(ていもう)に関するインタビューをしたり、ネットに投稿された毛の処理に関する声を共有したりした。

「売り上げ減るかも」不安のなかで…

 女性は「ムダ毛」をなくしてツルツルであるべきだという固定観念に苦しんでいる人、肌が弱くて剃れない人、ひげを理由に人事評価を下げられた人もいた。すね毛を剃りたい男子高校生が、カミソリを買うことに恥ずかしさを感じていることもわかったという。

企業が固定的な価値観に疑問を投げかけたり、ジェンダーを見つめ直したりする動きは他にもあります。専門家の分析とともに、記事後半で詳しくお伝えします。

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 「カミソリを作っている会社…

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