コロナで「リスク回避」のハリウッド、女性登用の行方は

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シネマニア経済リポート

 映画業界は男性に占められ過ぎている――。そんな批判からハリウッドではこのところ、新人の女性監督を登用する機運が高まっていた。だが新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化で、スタジオが保守的になり、そうした機運がしぼんでしまう、との懸念も広がっている。21日公開の米映画「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」(2019年)で長編監督デビューを果たしたオリビア・ワイルド監督(36)への電話インタビューで、現地の状況を聞いた。

主に海外の映画から、私たちを取り巻く問題を経済の側面から読み解く「シネマニア経済リポート」。ハリウッドの取材経験が豊富な藤えりか記者が様々な映画や業界事情を紹介する記事を、随時配信します。

 「ブックスマート(Booksmart)」とは、英語で「本や勉強の知識は豊富だが常識や世俗には疎いこと」を指す。主役の高校生、モリー(ビーニー・フェルドスタイン)とエイミー(ケイトリン・デバー)の女性親友コンビを表したタイトルだ。ひたすら勉強に突き進んで名門のイエール大学やコロンビア大学への進学を決めたものの、遊んでいた級友たちも次々と「いい進路」を決めたと知って落ち込み、彼らの卒業パーティーに乗り込む決心をする――。

 男性が撮る男性が主役の青春映画だと、男性同士の友情を主軸に、女性は恋愛相手といった「添え物」になりがちだ。だが脚本も監督も主役もすべて女性の今作は、そうした作品と一線を画す。

 ロサンゼルスから電話に応じたワイルド監督は語った。「特に若い人たちにとって、友情は(恋愛よりも)もっと長くて深い関係性。小さい頃からの友人は自分の成長を見てきた存在で、良き友人によって成長もする。この年頃の恋愛はある種のパフォーマンスだったりするけれど、友情は深く、パフォーマンスにはなり得ないわけだから」

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 主役の女性2人は、いずれも…

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