大病2度経てたどり着いた天職 山岳気象予報パイオニア

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今田幸伸
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 登山の安全を守る山の天気予報。その第一人者が気象予報士、猪熊隆之さん(50)だ。自身も登山家。高所登山をめざしたが、山の人生は二転三転した。そのたびに救ってくれたのも、また山だった。

 2011年、国内初の山岳専門気象会社「ヤマテン」を長野県茅野市に立ち上げた。全国の18山域、59山の天気予報を配信するほか、海外の山の気象情報も手がけている。プロ登山家、竹内洋岳さん(49)の日本人初となる8千メートル峰全14座登頂の成功と安全を支えたのも、猪熊さんの気象情報だった。

細胞が一個一個死んでいくのがわかる感じ

 猪熊さんは中央大山岳部出身。就職後、母校のチベット遠征計画を知り、会社を辞めて参加。7千メートル峰の頂に立った。以後、高所登山を志し、登山専門旅行会社のガイドを務めながら国内外の山に登ってきた。しかし1999年の夏、アルプスのガイドから帰国後、自宅で倒れる。「細胞が一個一個死んでいくのがわかる感じで、死ぬってこういうことかと思うほど」。劇症肝炎だった。

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 3カ月の入院で一命はとりと…

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