東条が見た戦争の「正体」 A級戦犯の最期を語るテープ

有料記事戦後75年特集

岩尾真宏
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 太平洋戦争後、連合国が日本の戦争指導者を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)で、東条英機元首相らA級戦犯の最期を見届けた人がいる。教誨(きょうかい)師、花山信勝(しんしょう)。晩年の講演テープをもとに、A級戦犯らの肉声を紹介する本をまとめた青木馨さん(66)=愛知県碧南市=は「東条らの声を通じて、戦後日本の原点を考えてほしい」と訴える。

 花山は浄土真宗宗林寺(金沢市)の住職で、東大教授として仏教研究に携わりながら、東京の巣鴨プリズンで仏教の教えを説く教誨師を務めた。開戦時の首相だった東条や、土肥原賢二・陸軍大将などA級戦犯7人の絞首刑は1948年12月23日に執行され、花山は日本人で唯一、その瞬間に立ち会った。

 青木さんの家も、約500年続く真宗大谷派の蓮成寺(れんじょうじ)。先代住職で父の順正(じゅんしょう)さん(故人)は花山と交流があり、裁判後に講演に招いたこともあった。寺には、約90分間にわたる花山の話を録音した古いカセットテープも残っていた。

 そこに、東条のこんな言葉が紹介されていた。

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 「人間の欲望というものは本…

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